Система многоточечного впрыска топлива (MFI)

 
 入出力信号表

センサ
ECMへの入力信号
ECMの機能
アクチュエータ
クランクシャフトポジションセンサ
エンジン回転数*2
ピストン位置
燃料噴射および空燃比制御
フューエルインジェクタ
カムシャフトポジションセンサ
エアフローセンサ
吸入空気量
吸気温センサ
吸気温
水温センサ
エンジン冷却水温
空燃比センサ1
排気ガス中の酸素濃度
スロットルポジションセンサ
スロットル開度
アクセルペダルポジションセンサ
アクセルペダル踏み込み量
パーク/ニュートラルポジションスイッチ
トランスミッションギヤ位置
ノックセンサ
エンジンのノック状態
バッテリ
バッテリ電圧*2
O2センサ2
排気ガス中の酸素濃度
エアコンスイッチ
エアコンの状態*1
コンビネーションメータ
車速*1
*1:これらの信号は、CAN通信線を経由してECMに送られる。
*2:エンジン回転信号と始動時のバッテリ電圧降下によりスタートスイッチONを判定している。

 
 システム概要

燃料噴射量は、ECMがフューエルインジェクタのバルブが開いている時間(燃料噴射パルス幅)を制御することによってコントロールしている。燃料噴射パルス幅は、エンジン回転信号(クランクシャフトポジションセンサ信号)と吸入空気量信号(エアフローセンサ信号)とで決定する基本噴射パルスに、以下に示す様々な補正をし、算出する。
 
 燃料噴射量の増減補正

燃料噴射量は、あらゆる運転条件に適合させるため、基本噴射量に対し下記のように様々な運転条件下で補正している。

<燃料増加>
  • 暖機中
  • エンジン始動時
  • 加速時
  • 高水温時
  • NからDへの変速時
  • 高負荷で高速の運転中

<燃料減少>
  • 減速時
  • エンジン高回転時
 
 空燃比フィードバック制御(クローズドループ制御)

PBIA9485J.JPG
空燃比フィードバックシステムによって、運転性と排出ガスに対する最適の空燃比が得られる。三元触媒によってCO、HC、およびNOxの排出ガス低減効果を高めることができる。このシステムでは三元触媒上流の空燃比センサ1により、エンジンの運転条件がリッチであるか、リーンであるかをモニタする。ECMは、空燃比センサ1の電圧信号に応じて噴射のパルス幅を制御する。そしてそのパルス幅を制御するための補正係数は、CONSULT-IIIでは“クウネンヒホセイ”または“Sネンリョウトリム”と表示される。空燃比センサ1に関する記述については、構成部品概要を参照すること。以上より空燃比を理論空燃比に維持することができ、この段階をクローズドループ制御と呼ぶ。
O2センサ2は、三元触媒の下流に配置されている。空燃比センサ1の特性が劣化しても、O2センサ2からの信号によって理論空燃比に制御される。
 
 オープンループ制御
オープンループ制御とは、ECMが以下のいずれかの状態と判断した時に、安定した燃焼を維持するため、フィードバック制御を停止(クランプ)する制御である。
  • 減速/加速時
  • 高負荷で高速の運転中
  • 空燃比センサ1、またはその回路の故障時
  • 低水温時(空燃比センサ1の暖機が不十分なとき)
  • 高水温時
  • 暖機中
  • NからDにシフトした直後
  • エンジン始動時
 
 空燃比補正自己学習制御

空燃比補正自己学習制御とは、空燃比補正の応答性向上を図るためと、空燃比フィードバック制御では補正できなかった領域の補正をするためのものである。
  • 通常走行時における空燃比補正は、常に理論空燃比を得られるようO2センサの信号をもとに空燃比フィードバック制御を行い、噴射量を決めている。学習補正は、諸要因(例:エアフローセンサの製造上のバラツキ等)によって生ずるベース空燃比の連続的なズレを理論空燃比に修正するものである。空燃比フィードバック補正係数[S(短期)燃料トリム]、学習補正係数[L(長期)燃料トリム]の2つの係数で補正を行うことで、すばやい制御が可能となる。
 
 燃料噴射時期

PBIA4900J.JPG
2種類のシステムにより制御している。
 
 マルチポートシーケンシャル燃料噴射システム
燃料は、エンジンサイクルごとに点火順序に従って各シリンダのポート部に噴射される。このシステムは、エンジン通常回転時に用いられる。
 
 マルチポート同時燃料噴射システム
燃料は、エンジンサイクル1回毎に2回ずつ全気筒同時に噴射される。言い換えれば、ECMから同じ幅のパルス信号が全気筒同時に送られるということである。
全てのインジェクタが、エンジンサイクル1回につき信号を2回同時に受信する。
このシステムは、エンジン始動時などに用いる。